私は昨年の9月からマンションの理事長を引き受けた。 一昨年の理事会役員経験(1年間)を通じて管理会社のサポート体制、マネジメント手法に不満や多くの疑問を持っていた。
疑問点については以下の通りである。
- 管理会社に支払っている委託手数料が高すぎる。
提供されている諸サポートサービスの内容に比べて相対的に高いのではという感覚的な疑問と、他の管理会社の一般的水準と比較しても絶対的に高額である。
- 管理組合運営が管理組合の利益ではなく管理会社の利益を目的として運営されていた。
顧客志向ではなく会社利益志向のパターンが強く表れているように感じられた。
- 理事会で協議、決議されたことが議事録に正しく反映されない(管理会社が作成していた)。
新年度は理事長に自ら立候補し改善を推し進めるつもりであったが、いざ改善に取り組み始めるとどこから手を付けてよいのかもわからず途方に暮れる1月が経過した。
とある機会に、渡邉マンション管理士にお会いし、私の悩みについて相談した時から事態は速いスピードで改善方向に展開し始めた。
<理事会課題の改善展開>
- 管理費会計の適正化を推進
昨年11月理事会で渡邉マンション管理士より管理会社あて管理費の適正化が提案。
まず、今年度は高すぎる委託手数料を含む管理費会計を世間水準まで低減させ、来年度は競争原理を導入した管理費会計の更なる削減を推進することとした。
結果として1月の臨時総会で渡邉マンション管理士と顧問契約を締結した後、3月までの短期間に、管理会社を変更・仕様を変更せず、約230万円削減という成果を生み出すことができた。
その後も、共有部分電気料金の見直し、宅配ロッカー、インターネット管理料金等の見直しを実施した結果、来期には通年で約300万円の適正化が実現できる見込み。
- 管理会社との適切な緊張関係を構築
それまで管理会社主体の理事会運営であったが理事会主導型の運営に転換することができた。
理事長へのアドバイス、管理会社へ問題点の指摘、マンション住民への学習会開催等を通じて少しずつではあるが管理組合が主体性を持った運営が可能となった。
これにより「発言する理事会」として管理会社と適切な緊張感を醸成することが可能となった。
- 理事会、総会の議事録を始め管理組合諸資料はこれまでの管理会社保管であったが、マンション内に保管庫を設置し資料移管させたたことで管理組合の「情報主権」を取り戻すことができた。
次回の通常総会へ向け「新年度の取組課題」(ブレーインストーミングを行い100のテーマから10の課題に絞り込み)、「理事会役員の職務分担改正」(理事長職務が過重にならないように職務分析を通じて他の理事会役員に職務を分散)、また理事会運営を円滑に推進するための規約改定等の作成や長期・中期・短期の課題整理を進めている。
理事長職は孤独なものであるといわれているが渡邉マンション管理士と顧問契約を締結したことで心強い相談相手を持つことができ、不安感が解消され理事会運営にも積極的に取り組むことが可能になった。
お蔭様で毎週100本以上作成していたメールは20本まで削減し、夜も安眠できるようになった。
理事長・理事会で単独行動をとっていたのなら、実現はできたかもしれないが、時間が恐ろしくかかったことだろう。
渡邉マンション管理士は私の戦友です。